「自己破産の手続」に関するお役立ち情報
自己破産に必要な資料の収集
1 自己破産申し立ての際に必要な資料
千葉地方裁判所の場合、自己破産申立時に提出が求められる主な資料は、以下のとおりです。
① 保有している預貯金口座の、過去2年分の預貯金通帳の写し
※おまとめ記帳になっている場合、当該期間の取引履歴
② 退職金見込額がわかる資料(退職金証明書や、計算式が書かれた職務規程)
③ 貸付金がある場合、これを裏付ける資料(契約書、請求書等)
④ 積立金がある場合、これを裏付ける資料
⑤ 保険に加入している場合、保険証券及び解約返戻金の有無と金額がわかる資料
※掛け捨てでも将来分一括払いの場合、解約時に未経過部分が払い戻されるのであれば、その金額がわかる資料
⑥ 自動車・バイクがある場合、車検証(登録から5年未満の場合、査定資料)
⑦ 不動産がある場合、全部事項証明書と固定資産評価証明書。ローンの残債があ
る場合、ローンの残高証明書。
⑧ 高価な家具、PCなどがある場合、評価額がわかる査定書。
⑨ 過去2年以内に処分し金銭を受け取った財産がある場合には、その際の契約書、受領書等。
退職金を受け取った場合には、支給額がわかる資料。
保険を解約した場合には、受領した返戻金等の金額が記載された資料。
⑩ 給与明細2か月分(給与所得者の場合)、源泉徴収票(2年分)、課税証明(1年分)、(年金等を受給している場合)各種受給証明書、給与以外の所得がある場合税金申告書控え(直近2年分)
⑪ 住居に関する資料(賃貸借契約書、不動産の全部事項証明書)
⑫ 公共料金が口座引き落としでない場合、公共料金領収書
⑬ 配偶者がいる場合、配偶者の給与明細2か月分、配偶者の源泉徴収票2年分
2 自己破産の際に上記の資料が必要な理由
上記のとおり、自己破産を申し立てる際は、非常に多くの資料の収集が必要となります。
かなり大変ではありますが、資料の提出を求められる理由を知っておくと、集めやすくなります。
裁判所が上記の資料の提出を求める理由は、次の2つにあると考えられます。
1つは、申立人の財産の状況を知るためです。
たとえば、申立人にめぼしい財産があるか否かを確認し、債権者への配当に回せそうな財産がある場合には管財事件、ない場合には同時廃止事件と判断することがあります。
また、申立人が申告している財産と、実際に保有している財産に違いがないかも確認します。
いわゆる財産隠しを抑止するためです。
一例として、家計簿から確認できる現金の支出より、預貯金から引き出されている現金が大きい場合、申告額以上の現金を保有している可能性が疑われることがあります。
また、公共料金が銀行引き落としになっていない場合、これらの領収書がないと、申告していない銀行口座が存在するのではないかということになります。
2つめの理由は、免責不許可事由の有無の確認および裁量免責の可否を判断するためです。
たとえば、配当に回されるのを防ぐ目的で不動産の名義を他人に移していないか、預貯金から使途不明の大きな金額の出金がないか、信用枠の現金化を行っていないか、ということを調査します。
その結果、免責不許可事由の存在が確認できた場合、個別具体的に内容を確認し、内容いかんによっては裁量免責をするという判断をします。
自己破産手続においては預貯金通帳が重要 個人事業主の自己破産