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自己破産をすると不利益が大きいのではないですか?
1 自己破産に関する誤解
自己破産をすると,住民票や戸籍に記載されてしまったり,選挙権をはく奪されてしまったりすると思われている方が時折いらっしゃいます。
そのため,本来であれば自己破産し,今後の人生の再起のための準備をしなければならないほどの財政状況に陥っているにもかかわらず,自己破産に踏み切らずに辛い思いをしながらも我慢していらっしゃる方もいらっしゃいます。
しかし,これらはすべて誤解であり,このようなことはありません。
2 自己破産による不利益
もっとも,まったく不利益がないわけではありません。
まず,お仕事については,法律上の資格が必要な一定の職業に就くことは制限されます。
ただし,そのような職業は多くはありません。
また,官報には掲載されます。
官報は,政府が発行する書籍であり,破産者の名前が載りますが,一部の専門的な機関に属している人以外の方が読むことはほとんどありません。
そのため,これによって自己破産したことを他人に知られる可能性は極めて低いです。
自己破産をした場合,信用情報センターには情報が登録されます。
そのため,自己破産後,数年間は銀行や貸金業者からお金を借入れたり,クレジットカードを作ったりする際の審査が厳しくなります。
そのほか,市区町村が発行する身分証明書には破産をした者であることが載りますが,この書類はご本人以外には極めて限られた人しか取得できない(委任が必要)ため,このことによって破産したことを他人に知られることもほとんどありません。
このように,自己破産による不利益は,自己破産をしなければならないほどの窮地に陥った状況を続けていくことに比べれば,大きいものとはいえないと考えられます。
自己破産は,これまでの財産と負債を清算し,再起を図るための制度です。
自己破産に関する誤解を解き,発生する不利益を正しく認識することで,次の一歩を踏み出しましょう。
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