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預貯金の資料は提出しないといけないのですか?

  • 文責:弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2021年12月30日

1 預貯金通帳のコピー

自己破産を申し立てる際、必ず提出しなければならない書類があります。

それは、預貯金の通帳のコピーです。

(預貯金口座を1つも持っていない場合は例外となりますが、一般的にはほとんどありません)

通常、申立日から遡って2年程度分のコピーの提出が求められます。

お持ちのすべての口座について、コピーが必要です。

全くといっていいほど使っていない口座であっても、ほとんどお金の出入りがないことを説明するために、通帳のコピーを提出する必要があります。

意図的に、口座の情報を隠すために通帳のコピーを提出しないと、財産の隠匿とされ、破産免責が受けられないこともありますので、注意が必要です。

また、長い期間記帳をしておらず、合算記帳がなされている場合は、取引履歴の取得が必要となることもあります。

では、なぜ預貯金の通帳のコピーの提出が求められるのでしょうか。

一言でいうと、財産の隠匿を防ぐためです。

逆に言えば、破産申立人としては、預貯金の通帳のコピーをしっかり提出することで、財産の隠匿を疑われる可能性を減らすことができます。

自己破産は、原則として、破産申立人の財産を換価処分し、その金銭を債権者へ配当し、配当しても満たされない債務については免責を受けるという手続きです。

破産申立人にめぼしい財産がないと判断できる場合は、同時廃止となります。

いずれにしても、破産申立人の財産についての正確な情報が必要となります。

財産の隠匿がなされている場合、債権者側の保護ができなくなることから、裁判所はこれを防がなければなりません。

そして、預貯金通帳は、破産申立人の財産の動きを客観的に記録している資料として非常に有用です。

多額の送金履歴がある場合、その使途について釈明を求める端緒になります。

現金でおろして渡したとしても同様です。

2 預貯金の動きについては事前に把握する

預貯金通帳において、おおむね10万円以上のまとまった金銭が動いていると、裁判所や管財人から釈明を求められることがあります。

もっとも、釈明を求められてから答えるのでは時間がかかりますし、多額の金銭の動きが多い場合、管財事件にされてしまう可能性もあります。

そのため、大きな金銭の動きがある部分については、申立ての段階であらかじめ説明するための文書を添付するということもします。

また、公共料金が預貯金からの引き落としになっていない場合、領収書等を用意して提出する必要があります。

これは、申告されていない口座が別に存在することについて、疑義がもたれてしまうためです。

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