お役立ち情報
過払金返還請求の際に必要となる情報について
1 過払金返還請求の準備
過払金返還請求をしようと思い立った方は、特定の貸金業者に対して、過払金があるかもしれないとお考えの方だと思います。
過払金返還請求の第一歩は、過払金が存在すると考えられる(おおむね平成18年以前から借入と返済を繰り返していた)貸金業者をリストアップすることです。
対象となる貸金業者がわかれば、取引履歴を請求することで、過払金の有無を調査することができるためです。
そのほか、完済した時期、途中完済の有無、取引停止の有無、キャッシング一括払いとリボ払いの併用の有無等の情報があると、よりスムーズに過払金返還請求を進めることができます。
2 調査対象の貸金業者
過払金があると考えられる貸金業者の情報がわかれば、当該貸金業者に対して、取引履歴の開示請求を行います。
取引履歴は、借入を開始した時から、現在または完済時までのすべての入出金の記録を記載したものです。
取得した取引履歴をもとに、引き直し計算というものを行い、過払金の有無及び過払金が存在している場合にはその金額を計算します。
3 完済した時期
事前に、大まかでよいので完済した時期の情報もお伝えいただけるとリスクを低減できます。
過払金返還請求権は、最後の取引日から10年で消滅時効が完成します。
完済した時期が10年位前という場合には、時効直前の可能性もあることから、予め催告という手段により、いったん時効の完成を阻止します。
4 途中完済の有無
途中で一度完済している場合、過払金返還請求の際、貸金業者は取引の分断という主張をすることがあります。
これは、完済前と完済後の取引は別々であるという理論で、完済前の取引が10年以上前である場合には、完済前の部分は時効消滅するという主張です。
途中完済がある場合、ときには訴訟で全面的に争うことが想定されますので、事前に準備をしておくこともあります。
5 取引停止の有無
信用情報の悪化等により、債権者側から借入を止められてしまう、取引停止措置がなされたか否かの情報も重要です。
取引停止措置がなされた場合、取引停止措置の日が消滅時効の起算点である旨を、貸金業者が主張することがあるためです。
この場合も、訴訟による争いが想定されるため、事前準備をします。
6 キャッシング一括払いとリボ払いの併用
キャッシング一括払いとリボ払いが併用されている場合、貸金業者側は、それぞれ別の取引である旨を主張してくることがあります。
そして、片方が時効になっている場合、消滅時効を援用することがあります。
訴訟において、一体計算をするべき旨を主張しなければならないため、事前準備を行います。