交通事故による車両損害の賠償金請求について
1 車両損害の修理費
交通事故被害によってお車を損壊された方は、その修理費用等を相手方に請求することができます。
それでは、修理費用は相手方へ無制限に請求できるのでしょうか。
交通事故における損害賠償とは、交通事故により発生した損害を填補することをいいます。
損害の填補である以上、当初手元にあった価値以上の賠償を請求することはできません。
例えば、当初の購入価格が100万円のお車であっても、事故当時の市場価格が50万円であれば、相手方に請求できる車両損害の賠償金は、50万円が限度となります。
このように、原則として事故当時の市場価格が賠償の限度となることを、時価賠償の原則といいます。
時価賠償の原則により、例えば、事故当時の市場価格が50万円のお車を修理する費用として80万円が掛かるとされた場合にも、相手方に請求できる修理費用は、原則として50万円が限度となります。
2 交通事故に関してこちら側に過失がある場合
それでは、相手方のみならず、こちら側にも過失がある場合には、車両損害の賠償金請求は、どのように処理されることとなるのでしょうか。
例えば、こちら側の過失が10%であるのに対し相手方の過失が90%、かつ、こちら側の時価額が50万円であるのに対し相手方の時価額が30万円の場合、どのような処理がなされるのでしょうか。
まず、こちら側は相手方に対し、損害額の90%を請求できるため、45万円(=50万×0.9)の修理費を請求できることになります。
これに対して、相手方はこちら側に対し、損害額の10%を請求できるため、3万円(=30万円×0.1)の修理費を請求できることとなります。
こちら側は相手方に対し、3万円を支払い、相手方はこちら側に対し、45万円を支払うというやり取りをすることは煩雑ですので、双方の合意のもと、相手方はこちら側に42万円(=45万円-3万円)を支払うという処理がなされることもあります。
車両損害の賠償金請求については、代車費用の問題や評価損の問題など、細かくはあるものの、複雑・困難な問題が少なからず存在していますので、交通事故に精通している弁護士に一度ご相談されることをお勧めいたします。
柏近郊で交通事故被害にお悩みの方は、弁護士法人心 柏法律事務所へご相談ください。