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交通事故訴訟の解決までの流れや期間について

  • 文責:弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2021年6月15日

1 はじめに

この記事では、交通事故の損害賠償請求事件について、示談ではうまく解決に至らず、やむを得ずに訴訟提起した場合、訴訟の流れや解決までの期間について、ご紹介していきます。

※この記事では、裁判と訴訟は同じ意味で表現しています。

2 訴訟の流れ

⑴ 訴状作成

通常は、被害者が、裁判所に訴状を提出して訴訟を提起しないと、裁判(訴訟)は始まりません。

訴状作成は、他の案件との兼ね合いにもよりますが、通常1~2週間から1ヶ月程度(場合によっては、もうすこしかかってしまうこともありえます。)はかかると思ってください。

⑵ 訴状提出

訴状が完成したら、管轄の裁判所に訴状と証拠を提出します。

裁判所は、訴状に不備がないかチェックします。

裁判所がチェックする期間も数週間~1か月前後かかると思っておいてください。

訴状に不備がなければ、相手方(被告)に訴状等が届けられます(送達されるといいます)。

被告に訴状が送達される際に、第1回目の裁判期日が指定されますが、訴状を提出した日から、1~2か月先の日時が指定されます。

⑶ 第1回裁判期日

第1回裁判期日では、被告側が欠席することも多いのですが(原告側の都合しか考慮されずに日時が指定されているため)、被告側が出席(出廷)していれば、今後の流れなどが確認されます。

⑷ 時間がかかる場合の例

ア 後遺障害案件の場合

この場合には、保険会社側の弁護士が、被害者のカルテ開示請求を行い(開示されるまで、1~2か月くらい)、開示されてから、医師の意見書を作成する場合があります。

医師の意見書は、完成までに数か月かかることも多く、まれですが、半年以上かかるケースも過去にはありました。

イ 過失割合を争っているケース

この場合も、原告の主張、被告の反論を何往復もしていると結構時間がかかってしまいます。

裁判と次の裁判までの期間は、1か月~2か月くらい空くのが通常であるからです。

⑸ 比較的早く訴訟が終わるケース

ア 死亡訴訟で争点が少ない場合

死亡訴訟は、後遺障害案件とは違って、カルテ開示請求もなければ、医師の意見書が提出されることもまずありません。

そして、過失割合の争いも特になければ、第1回目の裁判期日で裁判所が和解案を提案してくれることもあります。

この場合には、2回目の裁判期日で和解成立ということもあります。

イ 被告側がたいして争ってこない場合

後遺障害の案件であったとしても、被告側が必ずカルテ開示をしてくるとは限らず、また医師の意見書を提出してくるとも限りません。

この場合には、裁判の回数も2~3回とかで終わってしまう場合もあります。

⑹ 和解でおわるケース

双方の主張反論が出尽くした段階で、双方が和解を望めば、裁判所が和解案を示してくれます。

この和解案で、双方が合意できれば、和解が成立し、訴訟は終了します。

和解成立後、通常1か月以内に、保険会社から和解金が振り込まれてきます。

⑺ 尋問まで行くケース

和解案がでても、どちらかが、和解に応じなかったり、最初から和解を望まなかった場合には、尋問をして、裁判所から判決ももらうことになります。

尋問後に、裁判所から和解を持ち掛けられることもあります。

この場合にも判決がでた後、通常1か月以内には、保険会社より損害賠償金が振り込まれてきます。

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