柏で弁護士をお探しの方はご相談ください。

弁護士法人心 柏法律事務所

働きながら精神疾患で障害年金2級の認定を受けられますか?

  • 文責:弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2022年1月26日

1 働きながらでも障害年金の認定を受けられる可能性はあります

障害年金の法律上の受給要件は、障害が残存していることと保険料の納付要件を満たすことという2点だけです。

雇用保険で支給される失業手当(保険)では、就労・就職している場合には支給されませんが、障害年金では、働いていないこと(非就労)は年金受給の要件とはなっていません。

障害年金の認定の際に就労状況が考慮されることにはなりますが、就労しているから直ちに障害年金の認定が受けられないものということにはなりません。

精神障害における障害年金2級の認定基準は、大まかに言えば「精神障害により日常生活に著しい制限を受けるもの」ということになりますが、就労しているかどうかはこの著しい制限の考慮要素の一つに過ぎないのです。

働きながらでも、障害年金2級の認定を受けられる可能性は十分あります。

2 精神障害についてはガイドラインが制定され整備されてきています

以前は精神障害の認定については基準があいまいであり、地域によって認定の違いがあることなどが指摘されてきました。

しかし、こうした地域間格差をなくすべく厚生労働省において専門家検討会が設置され、精神障害の認定について基準をより詳細にするためのガイドライン(精神ガイドライン)が策定され2016年9月から施行されています。

精神ガイドラインでは、①現在の病状または状態像、②療養状況、③生活環境、④就労状況、⑤その他の項目として、具体的な項目を示し、各項目に点数を付して、その総合判断により障害認定を行うことと定められています。

つまり、就労しているということは、考慮要素の一つに過ぎないことが明確に示されているのです。

同ガイドラインでは、精神障害の方について、安定した就労ができているか、精神障害による出勤状況への影響、仕事場での意思疎通等で困難な状況が見られるか等を考慮して④就労状況の点数を付けると明示されており、その点数と、他の項目の点数との総合考慮によって、障害年金2級の認定が得られる可能性があることが定められています。

3 障害等級2級の認定を取り消された場合にも異議申し立てができます

精神障害による障害年金については、最初の認定時に数年ごとに更新する定めが付されることが多く、継続して就労していた場合には更新時に障害年金の支給停止の決定がなされることもあります。

しかし、この支給停止についても、その決定に合理性があるか、上記の精神ガイドラインに則っていない場合には、異議申し立てをして争う余地があります。

4 精神障害による障害年金の申請等でお悩みの方は専門家に相談しましょう

精神障害は身体障害と比較すると目に見えないものであり、判断が難しい障害です。

障害年金の認定が受けられるかどうか、その判断は非常に難しいです。

働いている方であれば、なおさら、申請をためらったりされる方もおられるでしょう。

しかし、就労していても、精神障害による障害年金を受給できる可能性は十分あります。

受給できるかどうか、また、申請するにはどうすれば良いかお悩みの方は、ぜひ一度、法律の専門家にご相談ください。

  • 電話法律相談へ
  • 選ばれる理由へ
  • 業務内容へ

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ