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仕事中の事故で失明した場合に請求できる損害の種類

  • 文責:弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2022年12月15日

1 請求できる損害の種類

仕事中の事故により、不幸にして失明してしまった場合、以下の損害を請求することが考えられます。

  1. ⑴ 医療費(治療費、薬剤費)、入院した場合は入院雑費(1日当たり1500円)
  2. ⑵ 通院のための交通費
  3. ⑶ 入通院期間に応じた慰謝料(入通院慰謝料)
  4. ⑷ 後遺障害による慰謝料
  5. ⑸ 後遺障害により労働能力が損なわれたことによる損害(逸失利益)
  6. ⑹ 他人による介護が必要な場合は、その費用(将来分も含む)

2 各損害についての説明

⑴ 医療費及び入院雑費

医療費については、実際に支出された金額が微笑されます。

これに対し、入院雑費は、上記のとおり入院1日当たり1500円にて算定され、賠償されます。

入院雑費としての支出の対象及び金額は、被害者によって千差万別であり、これを個別に検討することは多大の労力を要するためです。

⑵ 通院のための交通費

公共交通機関を使用した場合は、その料金が支払われます。

自家用車を使って通院した場合は、燃料費に対する賠償として、1㎞当たり15円にて算定した賠償額が支払われます。

⑶ 入通院慰謝料

労災による損害の算定は、交通事故における算定と同じ基準で行われることが一般的です。

このため、入通院慰謝料について、交通事故における算定基準に基づいて算定されます。

入院や通院の期間が長ければ、その分、慰謝料の金額も高くなりますが、算定基準では、事故発生日から期間が経過するにつれ、月当たりの増額幅が低くなるように定められています。

⑷ 後遺障害による慰謝料

労災及び交通事故による後遺障害は、おなじ後遺障害等級表に基づいて認定されます。

失明による後遺障害は、両眼を失明したもの(第1級、最も重い後遺障害等級)から、1眼が失明したもの(第8級)までの間に、失明した眼以外の他眼の視力に応じて後遺障害等級が定められています。

そして、後遺障害等級に応じて、一般的な慰謝料の基準として、1級に対する慰謝料2800万円から、8級に対する慰謝料830万円が定められています。

⑸ 逸失利益

後遺障害により労働能力が損なわれたことによる損害です。

後遺障害等級表には、等級に応じて喪失される労働能力が定められています。

例えば、第1級は100%の、、第8級は45%の各労働能力喪失率が定められています。

逸失利益の算定は、事故前の年収に労働能力喪失率を乗じた金額に、ライプニッツ係数(将来分も含めて一括して賠償してもらうことに対し、先取りにより利得して発生する利息を控除するための係数)を乗じて算定されます。

⑹ 介護費用

第三者(業者)に依頼して介護を受ける場合はその実額を賠償請求することができます。

ご家族による介護の場合は、障害の程度に応じて、1日当たり〇〇円などの定額にて算定されるのが通常です。

3 おわりに

事案によっては、上記以外の項目の損害が発生することがあります。

損害額の算定は、複雑な問題が生じることがあるので、専門家である弁護士にご相談することをお勧めします。

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