いつ債務整理を始めたらよいですか？

債務整理をしたいと思い立ち、ご相談に来られた時点での債務者の方の状況はさまざまです。

未だ滞納もなく、なんとか契約どおりの返済ができている方から、すでに長期間滞納を続けており、債権者から訴訟まで提起されてしまっている方もいらっしゃいます。

ご自身の状況からみて、債務整理をした方が良いのではないかと考えるタイミングは、債務者の方の性格や過去の経験などによって異なります。

いつ債務整理を開始した方が良いか、という点については、正解と呼べるものはありません。

しかし、一般的には、早いほど良いです。

もちろん、支払原資が十分にあり、返済に窮しているわけでもないのに債務整理をするということはできませんが、通常借金問題は時間が経てば経つほど悪化していきます。

返済が難しくなりそうだという段階で任意整理をしていれば、少ない負荷で済んだというケースも多いです。

返済が難しくなった際、ほかの貸金業者から借り入れをして、返済を行ってしまう債務者の方もいらっしゃいます。

しかし、これをしてしまうと、債務の総額と月々の返済額が増えてしまうだけでなく、いずれ借入限度額がいっぱいになり、返済不能に陥ります。

こうなってしまうと、もはや任意整理は困難となりますので、個人再生や自己破産を行わなければならなくなります。

個人再生や自己破産は、裁判所を通じた手続きであり、厳格な審査がなされます。

一般的には、任意整理に比べて、専門家に依頼する費用は高額となります。

申立てに向けて、多数の資料等を用意する必要があります。

事案によっては、個人再生委員や破産管財人が就くため、手続きが終了するまで長期間を要することもあります。

そのため、債務者の方の負担が非常に大きなものとなります。

任意整理は、個人再生や自己破産に比べると、債務の減額効果はあまりありません。

将来利息をカットし（債権者によっては将来利息を請求されます）、分割返済をするという内容の和解を締結することが基本となるためです。

しかし、全体的に考えれば、自己破産や個人再生をするよりも、負担は小さいものと考えられます。